大豆ミートを使ってみた

しばらく前に体作りに励みますという投稿をしたのですが、食事がとても難しいことに気づきました。野菜だけでは食事のレパートリーが少ないし、小麦が苦手な私はさらに食の範囲が狭くなってしまいます。

ヴィーガンの方に相談してみたところ「大豆ミート」がおすすめとのこと。早速試してみましたのでレポートします。

大豆ミートという食材があるらしい

なにそれ

2015年ごろに流行ったらしいので大豆ミートを知っている人はたくさんいると思います。私ははじめて知りました。(TVないもんで)

大豆をいろいろ加工して味も見た目も肉そっくりにした加工食品で、肉類よりも低コレステロールでヘルシーとのふれこみ。

おいしいの?栄養価は?

ちゃんと調理すれば食感も味も良いので「おいしい」部類に入れて良いと思います。

料理によりますが、豚肉と鶏肉の中間くらいの味がします。インターネットで「肉の味なんて全くしない」という評価があるのですが、たぶん牛肉と比べているのだと思います。

ただ、過度に期待しない方が良いのは事実です。グルタミン酸やイノシン酸を含んでいないので鶏肉や豚肉ほどのうまみはありません。そこは調理でカバーする、そういう食材だと考えた方が良いです。

栄養価は鶏肉のささみと比べると特段ヘルシーというわけではなさそうです。文部科学省の日本食品標準成分表2015を元に比較したのが以下の表。

大豆ミートはお湯で戻した状態で比較しています。また、「その他」の栄養価は大豆から推測しています。それ以外は製品パッケージに記載されている値を使用しています。

 

脂質とコレステロールを極限まで減らして食物繊維を多く摂取したいなら大豆ミートは選択肢としてあり得ます。1日に必要な栄養素をバランス良く摂取して健康に過ごしたいならささみの方が良いと思います。

実際に食事に取り入れてみるとわかるのですが、ささみ100gは体積が小さいので満腹感は得られません。キャベツなどの野菜を大量に添えるか、大豆ミートで量増しすると良いと思います。

調理法

基本的にお肉と同じです。1年くらい保存がきくので生肉を扱うよりは便利です。

形状はブロックタイプ、スライスタイプ、ミンチタイプがあり、購入時には乾燥した状態のものとすぐに調理できる状態のものがあります。

ブロックタイプとスライスタイプは切ったり捏ねたりしなくてもそのまま使えます。乾燥しているタイプは10分程度お湯で戻す必要があります。

気になるのは栄養価。戻すときに3回くらい洗わなければいけないのでほとんど栄養が流れ出てしまっている気がします。

味付けは以下の2つを混ぜた汁に浸すのが基本です。

  1. 醤油、みりん、酒 (1:1:2)
  2. 生姜、にんにく (両方ともチューブでOK)

これに生姜焼きなら砂糖、唐揚げなら衣に片栗粉、青椒肉絲ならオイスターソースと砂糖といった具合で料理によって1,2品追加したり、麻婆豆腐なら酒とみりんを減らして豆板醤を追加するなどして調整します。

どこで買えるのか

業務スーパーで買えるらしいですけど私は見たことありません。@練馬区

仕方なく楽天で買いました。ごちゃごちゃしてて買う気なくなるんですよね楽天。検索機能がバカすぎて関係ないものが大量にヒットするし。苦痛に顔を歪めながらなんとか以下を購入できました。

  • かるーな 唐揚げ用(ブロックタイプ)、スライスタイプ、ミンチタイプ
  • 黄金の大豆ミート ブロックタイプ,ばら肉タイプ(スライスタイプ)
  • まめやのお肉 ブロックタイプ、フィレタイプ(スライスタイプ)、ミンチタイプ
  • マルコメ 大豆のお肉 フィレタイプ

メーカー毎の違い

カロリーはほとんど同じ。ブロックタイプが100gあたり120kcal程度。マルコメの大豆のお肉は76gで60kcalとカロリーは低め。

以下のとおり見た目や大きさ、食感には大きな違いがある。

かるーな

どのタイプも形が整っていて調理しやすい。密度は低くて体積のわりに軽い。ダイエット中のかさ増しに使いたいならおすすめ。上の右側の写真はブロックタイプの30g。麩の様な食感でちょっと柔らかいなと感じるが、密度が低い分味が浸透しやすい。

黄金の大豆ミート

密度が高く同じ大きさでもかるーなより重い。その分、食感はより肉に近い。上の右の写真はブロックタイプの30g。形や大きさがバラバラなので調理にムラが出やすい。

まめやのお肉

「フィレタイプ」は他のメーカーの「スライスタイプ」のこと。紛らわしいので要注意。

形はかるーなに非常によく似ている。上の右の写真はブロックタイプの30g。

成分表示がないので正確にはわからないが、ブロックタイプ、スライスタイプの色や形はかるーなにそっくり。というかもう同じと言っていいレベル。ミンチタイプはまめやのお肉の方が小粒で色は薄めで明らかに別物。

大豆のお肉

唯一、最初から戻した状態で買える。カレーのようなパックになっていて、下味が付いた汁の中にフィレタイプの大豆ミートが入っている 。

ミンチタイプで料理してみた

ミンチタイプはハンバーグ、そぼろご飯、麻婆豆腐あたりがメジャーなのですが今回は一番おいしそうな麻婆豆腐にしました。

「まめやのお肉」と「かるーな」を使用したのですが、結論から言うと麻婆豆腐には「まめやのお肉」が向いています。粒が小さく、ミンチ肉に食感が近くなります。ただ、かるーなも味は全く問題ありません。

レシピ

  1. 大豆ミート 20g ,豆腐
  2. にんにく2g 生姜2g 豆板醤 小さじ1/2
  3. 味噌 大さじ1、醤油 小さじ2、だし汁 80cc
  4. 片栗粉 大さじ1、水 大さじ2

お湯で戻した大豆ミートと2をフライパンで軽く炒める。

豆板醤を先に油で炒めてうすく広げたところに大豆ミートを入れるとうまく焼ける。チューブのにんにくや生姜を使う場合はダマになってしまうので少量の水に溶かして大豆ミートにかけるとよい。。

一通り炒めたら3と豆腐を入れて煮る。

仕上げに4をよく混ぜてかけ、とろみをつける。

出来上がり

ビジュアル的にはもっと赤くすることもできたが、私は辛いものが苦手で豆板醤は小さじ1/4しか使っていないためこの色になっている。

もっと赤くかつ辛くしたいのであれば豆板醤を多くしたり味噌に赤味噌を使うとよい。逆に甘味が欲しい場合は3にテンメンジャンを混ぜたりみりんを大さじ2杯くらい入れると味が丸くなる。

前述のとおり大豆ミートは「まめやのお肉」の方が食感がミンチ肉に近い。味はほぼ味噌+豆板醤なので肉っぽさは少ないが麻婆豆腐と言われても違和感は無い。

今回は大豆ミートとしての評価をしたかったので最低限の食材で作っているが、ネギやニラを入れることでもっと本格的にできるはず。

評価

食感、味ともに各社問題なし。僅差で「まるやのお肉」の方が食感で勝る。

大豆ミートに豆腐に味噌と大豆づくしになってしまうので、普段の食事に取り入れるには栄養のバランスが悪そう。ほうれん草のお浸しなど緑黄色の野菜をつけるかりんごなどの果物を添えたい。

スライスタイプで料理してみた

スライスタイプはレシピが豊富な生姜焼きにしてみました。

「黄金の大豆ミート」と「かるーな」を使用したのですが、ビジュアルがかなり違います。味には関係ありませんが。戻す前と後で2倍くらい体積が大きくなるので1食あたり30gくらいを戻せば十分です。

乾燥状態

お湯で戻した状態

レシピ

  1. 醤油:みりん:酒=1:1:2
  2. 生姜、にんにく
  3. 砂糖(少し)
  4. 大豆ミート30g(乾燥)
  5. ブラックペッパー (お好みで)

大豆ミートをお湯で戻してフライパンで焼く。色が付いたら1~3を混ぜた汁をかけてさらに焼く。食べる直前にブラックペッパーをかける。

肉を切ったり片栗粉をまぶしたりしなくて良いので超簡単です。

とろみが欲しい人は1~3に片栗粉を混ぜると良いらしいですが私は糖質を抑えたいので使っていません。

出来上がり

写真の奥側の半分は黄金の大豆ミート、残りの手前半分はかるーなの仕上がり。それぞれ乾燥状態では20g分。どちらもちゃんと生姜焼きっぽい。

黄金の大豆ミートはバーベキューでちょっと焼きすぎた牛肉の様なワイルドな食感。臭みは無く味は問題無し。というかお肉に近くて普通においしい。

かるーなは豚肉の肉と脂肪の間にある透明のプルプルした部分の食感に近い。こちらもおいしい。

この後、まめやのお肉でも作ってみたが、かるーなとほぼ同じ味と食感だった。

評価

各社とも本物の肉と大差ない味になりました。生姜焼き自体、生姜とにんにくの味が強くて肉の味がサブになる料理なので当然といえば当然。

食感は人によって好みが分かれると思いますが、かるーな系の食感も黄金の大豆ミートの食感も、あーどこかでこういう食感の肉を食べたことがあるな~と感じるはず。

豚肉と比べて量のわりにカロリーが低く、調理が簡単で味も食感も良いので普段の料理として使えると思います。

フィレタイプで料理してみた

あまりメジャーではありませんがブロックの小さい形です。フィレタイプは青椒肉絲のレシピが豊富だったので一番簡単なレシピで調理してみました。

レシピ

  1. ピーマン2個、水煮たけのこ(100g),大豆ミート
  2. 醤油(大さじ1)、みりん(大さじ1)、酒(大さじ2)、片栗粉
  3. ごま油、塩、胡椒 (この3つで食材を炒める)
  4. 大さじ1 オイスターソース、酒
  5. 小さじ1 醤油、砂糖、みりん

生姜とにんにくは好みで入れてもOK。

1と2をビニール袋に入れて混ぜ、3で炒める。火が通ったら4と5を入れて強火で炒める

個人的に濃い味は苦手なので醤油は濃口を少し水で薄めて使用。片栗粉は気持ち少なめにしたほうがベトつき感がなくて良いと思います。

出来上がり

カゴメ ダイズラボ 大豆のお肉(76g)で作った青椒肉絲。かなり手抜きレシピでもビジュアル的には普通の青椒肉絲に仕上がる。

評価

本物の青椒肉絲と比べると食感、味ともにお肉とはまったく違います。それでも青椒肉絲とは別のものとして考えれば普通におかずとして食べられます。片栗粉や砂糖を使うのでカロリーは高くなりますが、満腹感はあるのでダイエット中のメニューとしても使えそう。

ブロックタイプで料理してみた

ブロックタイプは見た目のまんま唐揚げにしました。まめやのお肉は配達が2日後だったため後日調理しています。

レシピ

  1. 大豆ミート 60g
  2. 醤油(大さじ1)、酒(大さじ2)、みりん(大さじ1)、生姜、にんにく
  3. 片栗粉

1はお湯で10分(6分の商品もあります)かけて戻し、3回洗う。2をビニール袋の中で混ぜ合わせて1を入れて1時間おく。一晩おけばもっとおいしくなるらしい。3の片栗粉をつけて揚げる

失敗しちゃいました

油を避けたいのでフライパンで焼いてみたのですが、酒が飛びきらず日本酒のツンツンした味がそのまま残ってしまいました。大豆ミートは芯まで味がしみるのでちゃんと油で揚げて酒を飛ばしきるのをおすすめします。

それでもやっぱり油を減らしたかったので、フライパンに0.5mmくらいの油を入れて傾け&回して溜まりを作りながら揚げました。

 

出来上がり

ビジュアルはほぼ唐揚げ。油の量が少し足りず片栗粉が残ったのは失敗。

かるーなは肉厚があって「超やわらかい唐揚げ」という食感。味の第一印象はかなり鶏肉に近い。よく噛むと肉からは離れていくもののおいしいと感じる。

「まめやのお肉」はかるーなとほぼ同じ食感と味。これ、同じ商品じゃないの?

黄金の大豆ミートは表面が凸凹していてうまく片栗粉が乗らないので、私の様に油を極力少なくしたい人が綺麗に揚げるのは難しいかも。竜田揚げに近い食感。味もやはり竜田揚げ寄り。

評価

食感に大きな違いがあるものの、各社おいしく仕上がります。全体的にふんわりして本物の鶏肉よりもおいしいと感じる人もいるはず。文句なしで普段のメニューに組み込めます。


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